JMIU日産栃木分会労働者と農民がスクラム働きやすい職場と“農”守る社会へ新しい展望切り開こう「互いに手を携えて、働きやすい職場、農業が大切にされる社会の実現にがんばろう!」――栃木農民連などが呼びかけて、「日産労働者を励ます労働者、農民のつどい」が六月十七日、上三川町の鬼怒川の河川敷で開かれました。栃木農民連は、もぎたてのトウモロコシ「きぼう」や、ナス、タマネギ、カボチャ、クインシーメロンなどを差し入れて、バーベキューを準備。村山工場から転勤してきた日産自動車栃木工場の労働者をはじめ、約三十人が参加し交流しました。
米と野菜贈り物心両面で支援「工場閉鎖反対闘争への物心両面にわたる支援ありがとうございました。農民連から贈られた米、野菜は、闘争資金にさせてもらうとともに、私たちも本当においしくいただきました」と、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)日産栃木分会の本木道隆さん(59)。日産自動車が、東京・村山工場の閉鎖を含む、二万一千人の大リストラ計画を発表したのは一昨年秋。この身勝手な計画に対して、日産に働く労働者はもとより、国民的な怒りと反対の運動がわき起り、農民連も支援物資を贈るなど激励してきました。しかし日産は、今年三月、利益が過去最高になる一方で、村山工場の生産ラインを停止。約二千四百人の従業員のうち、千七百人が他工場へ異動、四百七十人が退職に追いこまれました。これまで、たたかう労働組合のJMIUを敵視し、会社べったりだった管理職も、本木さんに「会社にだまされた」と、つぶやいたそうです。
「職場をかえよう」と期待の声「栃木工場には約千人が異動してきました。五十代の多くは単身赴任、小さい子どもがいる人は家族で引越しです。中には、新築した家を安く売った人もいました。悔しくて眠れない気持ちでしょう」と、野田貞夫さん(57)。本木さん、野田さんは、こうした労働者の気持ちを自分の思いとして精力的に活動しています。たたかう労働組合がなかった栃木工場で、JMIU日産栃木分会は、組合事務所をかちとり、寮の施設を改善させるなど、労働者の要求にもとづき会社を動かしています。 野田さんは「一緒に村山から来た係長が『これまでは上を向いてやってきたが、これからは一人ひとりを大事にしたい。職場を変えよう』と声をかけてきた」と、JMIUへの期待の広がりを感じています。
日産の町上三川で新たな力に上三川町の人口三万のうち、日産栃木工場と関連企業に勤める従業員は約一万人。「上三川は日産の町」と言われてきました。かつては“企業ぐるみ選挙”で議会で強い影響力を持っていましたが、JMIUがこれを批判したため、今では労働者を締めつけることができなくなっています。栃木農民連の海老原恒夫事務局長は「いま新しい風が吹いています。労働者と農民がスクラムを組めば、新たな展望が開けるでしょう」と激励し、通勤途中にある農地に掲示板を設置するなどの協力を約束。 野田さんは「私は東京の農家の出身。最初に社会の不公平を感じたのは、苦労して作ったものが安く買いたたかれ、高く売られていたこと。農業が見直されるために力を合わせたい」とエールを交換しました。
(新聞「農民」2001.7.2付)
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[2001年7月]
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