セーフガード、一日も早く農民連が三省(財務、産業経済、農水)と交渉
農民連は一月十八日、財務、産業経済、農水の三大臣あてに長ネギ、生しいたけ、畳表(い草)の三品目のセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動を直ちに行うとともに、激増している輸入野菜などの調査開始を求めて三省の担当者と交渉しました。これは農民連第十三回大会後、最初に取り組まれた行動で、北海道から岡山まで約三十人の農民連代表が参加しました。 交渉の中で明らかになったのは、発動をズルズルと引き延ばす姿勢。また、輸入が減った(タマネギ)、消費量に占める割合がわずか(トマト)などの口実をあげて、三品目以外には発動させたくないという姿勢も浮き彫りになりました。 参加者は輸入急増で価格が暴落し、見通しを失って自殺に追いこまれている農民の苦境を訴え、「農民は待っていられない。引き延ばしをやめ、一日も早く発動せよ」と要求しました。 参加者の「調査を開始したというが、いまどういう段階にあるのか」との質問に対して、財務省関税局関税課の鶴巻嘉一課長補佐は「昨年十二月二十二日に調査を開始、生産者や輸入・流通業者にアンケート調査票を配っており、三月二十二日にその結果を公表、四月二十七日まで閲覧し、その後に発動するかどうかを決定する。国際取り決めで決まっており、輸入の急増が損害を与えているかどうかの因果関係をはっきりさせないといけない。いまは発動するとは答えられない。考えられるスケジュールは六月頃」と答弁。 参加者は「ネギを作るにはいまから準備をしないとできないのだ。それを六月まで待っていろというのか。迅速に調査しているというが、妨害しているとしか農民には見えない」と追及。調査票の資料を提出するよう要望しました。 埼玉県連の代表は「特産の深谷ネギをかかえる埼玉県では、農林部長を責任者にチームを組み、一カ月で四十一の流通業者、十六の農協、十三の卸売市場、二十二の仲卸業者に当たって実態を調査し、セーフガード発動を要請している。政府も迅速に発動を」と要求しました。 農水省では、財務・経済産業省との交渉を踏まえて要請。農水省の担当者も弱腰で、参加者は「昨年十二月に谷津大臣に直接要請したとき、大臣は『生鮮ものだから早く結論を出すように指示している』と答えている。財務・経済産業省の担当者に、早く発動させるという確固とした心構えで働きかけてほしい」と要望しました。
(新聞「農民」2001.1.22・29付)
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[2001年1月]
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