常田健、油井正次遺作展を訪ねて大地に根を張った農民画家
青森の画家常田健と、長野県佐久の油井正次の木版画遺作展が、長野県上田市で民主的な書店として親しまれている、平林堂書店のギャラリーで九月一日から十日まで開かれました。 「二人とも作品を売るためでなく、大地に根を張って農村の日常生活を描き、油井さんは九八年一月、常田さんは今年四月、ともに八十九歳で現役の農民として生涯を終えました。金がすべての二十世紀にその心を二十一世紀に引き継いでいきたくて」と書店開設五十周年記念の企画をした社長の平林茂衛さん(75)はその想いを話してくれました。 今回展示されたのは常田さんが物置にしまっておいた油絵やデッサン、新聞小説挿絵など八十点。油井さんの木版画は彫ってもほとんど一、二枚刷るだけ、それもみんな人にやってしまうので家人も知らないものが多く、約百点も展示されたのは初めてとか。 訪れた人々は、平林社長が出すウーロン茶を飲みながら、昨年東京銀座の画廊で開かれた常田作品の展示会で、絵の前で涙した人もいたという話を聞いたり、「浅間山演習地反対闘争」「外米輸入反対」「鳩笛を吹く少年」など、農民運動家でもあった油井さんの木版画に見入っていました。
(冨沢/新聞「農民」2000.9.25付)
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[2000年9月]
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