生産者励まし、お客も喜ぶ人気の“七尾ふれあい市”/石川屋根つき売り場もできた
私は米を作り、わずかな畑で野菜作りもしている石川農民連の会員です。七尾市古府町に住んでいますが、九年前から生産者と一緒に朝市や夕市を行っています。農家のお母さん方は「励みになる」と喜び、お客さんも「日曜日が楽しみ」と毎週買いに来てくれるなど、盛況な朝市になっています。 (石川農民連 古川孝作)
9年前、クラブ結成しスタート朝市を始めたきっかけは、米の値段が下がり、減反がどんどん増えるのに外国からコメを輸入するという農業にとって大変厳しい状況になり、農民が農業に意欲を失いつつある時でした。せっかく作った野菜などが余って捨てられたり、腐らせたり、もらった人はお返しに困り、「安く買わせてもらえればいいのに」との声があがりました。こうした中で、何とか農家の人たちに生きがいを持ってもらおうと考え、古府町朝市クラブを結成し、九年前に朝市を始めたのです。五十歳代から八十歳代の兼業農家のお母さんたちが中心で、私がそのクラブの代表世話人になりました。 お母さんたちは、スーパーの値段を参考にして自分で決めて売っています。お客さんに喜ばれ、自信を持つようになり、そのうえお互いに新しい品種の野菜を研究し栽培しています。量が少なくても品種を多くし、お客さんの要望に応えようと努力しているのです。
安い・安全・新鮮が評判呼んでこの朝市は生産者も喜び、消費者も「新鮮で安全、安い」と待たれるようになりました。毎月第一と第三の日曜日に朝市を行っていましたが、三年前からは七尾市全体に広がり、“七尾ふれあい市”と名づけ、いまでは農協の駐車場に常設の屋根つき売り場を建設し、毎週日曜日は朝市、毎週水曜日に夕市を開くまでになりました。私は七尾ふれあい市協議会の会長になっています。“安い・安全・新鮮”をモットーに、朝とってきたものを市価の二〜三割安く売りますから、お客さんには本当に喜ばれています。毎回二百人近い人が来てくれる盛況ぶりです。 朝市で人気の品物は、野菜はもちろんのこと、切り花やかき餅などで、列ができます。お客さんと生産者が、料理の仕方などのやりとりをしながらの販売もほほえましいものです。 朝市に出荷している生産者は五十人ほどですが、励みになり、楽しみにもなっています。私は、この人気の朝市、夕市をこれからも長く続け、七尾市の名所にしたいと考えています。
(新聞「農民」2000.9.25付)
|
[2000年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2000, 農民運動全国連合会