農民連分析センターが検出「健康食品」からなんと遺伝子組み換え大豆タンパク食品「プロテイン」
「美容と健康を考える方のダイエット法を提案します」「筋力アップをめざす人の植物性サプリメント」などのキャッチフレーズで、薬局・薬店の「健康食品」「ダイエット食品」のコーナーに並んでいる粉末たんぱく食品(プロテイン)。こんな「健康」を売りものにした食品に、遺伝子組み換え原料が使われていることがわかりました。分析したのは、農民連食品分析センター。検出されたのは、モンサント社の除草剤耐性(ラウンドアップ・レディ)大豆の遺伝子です。
明治製菓、森永製菓などが販売遺伝子組み換え大豆が検出されたのは、大手の明治製菓(株)、森永製菓(株)と、健康食品を扱っている三基商事(株)の粉末たんぱく食品。水や牛乳に溶かしたり、料理に混ぜて摂取することを推奨していますが、値段は百グラムあたり五百円〜千円と結構高く売られています。こうした「体にいい」として売られているものに安全性が未確立の遺伝子組み換え原料が使われていたことは重大です。分析を依頼したAさんは分析結果を見て、「健康のためにと、十五年も食べ続けてきたので、たいへんショックだ。残っている商品の返品を考えている」と怒りました。 分析センターの石黒昌孝所長によると、「主原料の大豆分離たんぱくは、油を搾った大豆カスを精製して作ったもので、ほとんどが輸入品。九九年は、おもにアメリカから五千五百トンも輸入されている」と言います。
除草剤耐性DNAをすべて検出分析は、界面活性剤を使って検体のDNAを溶かしだします。それをさらに精製してからPCR増幅装置にかけ、組み換え遺伝子が含まれているかを確かめます。遺伝子組み換え原料が使用されている検体からは、除草剤耐性のDNAと、その両隣にある除草剤耐性のDNAを発現・終息させるDNAがすべて見つかりました。分析センターではこうした分析を二回以上行いクロスチェックしています。分析を担当した八田純人研究員は「大豆カスを精製、製品化する過程でDNAが壊されていると予想していたが思ったより多くのDNAが抽出できた」と言います。 また、唯一組み換え遺伝子が検出されなかった「ザバス・プロテインタイプ2・スピード」について、八田研究員は「これだけは原材料の第一位が乳たんぱくになっているので、大豆たんぱくはそれほど多く含まれていないのでは」と語っています。
(新聞「農民」2000.9.25付)
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[2000年9月]
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