「すずき産地」の八細工七貧乏北茨城市から 鈴木孝夫
百姓の醍醐味自分で工夫して作ることこそ…アイガモなんか放飼するより除草剤を散布するほうが効率的だし、農機具を修理したり工夫したりするより新型を購入したほうが効率的だし、畑で野菜を作るよりスーパーで買ったほうが効率的だし、国内の農業を維持するより輸入しちゃったほうが効率的だし…、「効率化」のエスカレートは一体どこで歯止めをかけるのが「合理的」なのか…。いやいや、それならいっそ全部を自分の手元に引き戻しちゃえ。経済合理性や資本の論理の対極にこそ人間本来の感動はあるのだ。と、まぁ、こんな思いで百姓仕事を楽しんでいます。
廃材、そして鉄パイプと漁網で十数年前までは、家屋を解体するところに出くわすと、一升ビンを下げていって、廃材をもらってきたものでした。初期の鶏舎の材料はそうやって調達しました。ところが今は、パワーショベルのアタッチメントでバリバリと粉々にしてしまい、柱一本再利用することはできません。しかたなく、足場用の鉄パイプを組んで鶏舎を建てました。これはこれで、組み替えながら建てられるし、費用的にも安上がりです。また、近くに漁港があって、その片隅に捨ててしまう漁網が山と積まれています。これをもらってきて、鶏舎を囲う網に利用しています。口の悪い友人は、うちを最終処分場と呼んでうらやましがって(?)います。
鶏舎に手づくりの自動給水装置ちょっと自慢の装置を披露しちゃいます。鶏舎は全部で十二区画に分かれていますが、それぞれに設置した自動給水器です。塩ビ製の水道管の終端につけるキャップに穴を開け、ステンレス製の釘にゴムパッキンを丸く切ってつけたものを通しただけ。ついでに紹介すると、ビニールホースの接続や分岐にも、塩ビ管用の器具を使った方が手軽で安価。一見するとはずれちゃいそうですが、水圧でホースが膨らむので大丈夫です。
(新聞「農民」2000.9.11付)
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[2000年9月]
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