「農民」記事データベース20000911-462-12

新聞「農民」に掲載された

「白菜がすきだ」に感動


ボロボロ泣けた

日本民主青年同名茨城県委員長 稲石 紀保

 新聞「農民」七月十日付に載った「白菜がすきだ」の詩が、とても心に残り、ボロボロ泣けてきました。

 昔、ある地方市場でバイトしていました。「昔は高い年もあったが、箱代にもなんねぇような値段が、三年、四年と続いたんじゃ、とてもやっていけねぇ」といった言葉やため息が、白菜を出荷する農家から毎日のように聞かれました。

 市場の人は、「大手は安く買いたたいてボロもうけだ。数がハンパじゃないから、大手が買いつけた市場は品薄になる。それで値段がいくらかよくなれば、そこに出しに行くのが農家の心情だ。それでさらに値下がりだ。不作で高くなるはずの年も、商社が飛行機と電話一本で外国から安い野菜を輸入する。農家はいつまでも報われないし、地方の仲卸もやっていかれないよ」とこぼしていました。

 一生懸命おいしいものを作ったら、作った人も、取り扱った人もニッコリできる値段で売れてほしい。社会を変える展望とあきらめない生き方をつかんだ青年が、農業を担う青年の中にもたくさん増えたら、こういうことも変えていけるんじゃないか。自分が、若い今しかできない民青同盟の専従という職業を選んだ理由の一つです。


思いを詩に託して

愛知・豊橋市の「自然問屋」 杉林 和子

 愛知県豊橋市で野菜卸・小売をしている「自然問屋」の杉林和子さんは、「白菜がすきだ」という武力也さんの詩に感動し、便りと「明日をつなぐ」と題した詩を送ってきました。

 杉林さんは「日夜がんばっておられる生産者のみなさんの顔を思い浮かべながら何度も何度も読みました。今、このような告発の詩が本当に大切だと思いました。いつまでもこんな政治は許さないゾと思うばかりです。生産者と流通業者と消費者が手をつなぐ道をともに探求していきたい」という思いを詩に託しています。


明日をつなぐ

杉林 和子

当店は
お客様がほしい野菜だけを
お届けする商いではありません
 
当店は
四季折々
生産者の人たちが
育て上げた野菜をお届けします
 
だから
土まで凍りつく真冬
きゅうりがほしいと言われても
それは 無理というものです
日照りが続き
耕地まで割れる真夏
ほうれん草がほしいと言われても
それは お断わりです
 
桜が散る頃には
ウドやタラの芽など
春の香りをお届けします
仲秋の名月の頃には
ほっこりとした芋をおたのしみに
新年は
鍋を囲んで白菜、春菊、長葱を
たっぷりとめしあがれ
 
玉葱が
市場では当店の仕入れの
四分の一だって
箱代 運賃払って
正味はキロ二百円だって
冗談じゃあない
明日につながらない価格で
いのちを育くむ生産を
誰が
地を這い続けることだろう
 
作る人がいて
運ぶ人がいて
商う人がいて
食べる人がいて
すべてが
明日につながる価格が
人々のいのちもつなぐのだから
安ければいいって
冗談じゃない
 
当店は
旬の野菜ばかりをお届けします
ほしい野菜だけのメニューから
季節を彩る食卓に変わります
だから
暮らし方が変わります
 
当店は
安全な食料は
日本のゆたかな大地からと
当り前の願いを
当り前の価格に託し
明日へつなげと
旬の野菜ばかりをお届けします

(新聞「農民」2000.9.11付)
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2000年9月

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