「農民」記事データベース20000501-448-10

アメリカ

「家族農業の父」ジェファーソン記念館


 三月下旬、アメリカの首都・ワシントンDCは桜満開。とりわけポトマック河畔の桜並木は見事で、花見の宴を催したくなるほど。この河畔に、第三代大統領トーマス・ジェファーソンの記念館が建っている。

 ジェファーソンは一七四三年、辺境開拓者の長男としてバージニア植民地で生まれた。彼は農学をはじめとする科学の徒であり、政治家・民主主義者であり、同時に八十三年の生涯を通じて一人の農民でもあった――記念館には、拍子抜けするほど簡潔に、その事実が展示されている。

 記念館を訪れたのは、ジェファーソンがいわば「家族農業の父」というべき人だから。「土地を耕す者は最も価値多き市民である」「農民(は)生存のために天に頼り自分の土地や勤勉に頼る」「農業を(主産業として)奨励すべき…同時に、農業の侍女としての商業をも奨励すべき」――。

 「家族農業を守れ」と、連邦議事堂前に集まった農民たちの「勤勉」と、「侍女」であったはずのアグリビジネスの買いたたき――二世紀を超えて、ジェファーソンの言葉は瑞々しい。

(M/新聞「農民」2000.5.1付)
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2000年5月

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